交通事故topics

2013年7月 8日 月曜日

高次脳機能障害・賠償金(後遺障害慰謝料)(その2)

「仮にあなたが高次脳機能障害によって,後遺障害等級5級2号に認定された場合,慰謝料その他の賠償金はどのくらいになるのか」



高次脳機能障害は,後遺障害等級の分類上,「神経系統の機能または精神」の障害と分類されます。



高次脳機能障害は,その症状の重篤さに応じ,後遺障害各等級に分類されます。

そして,それぞれの等級ごとに,「慰謝料」,「労働能力喪失率」が異なり,賠償金が異なってきます。



たとえば,仮にあなたが高次脳機能障害によって,後遺障害等級5級2号に認定された場合の慰謝料その他の賠償金についてご説明します。


あなたがそのときまでに弁護士に保険会社との示談交渉を依頼していたとします。

弁護士は,いわゆる弁護士基準(裁判基準)に従い,慰謝料額などの賠償金の金額を算出し,保険会社に請求して交渉します。

弁護士基準(裁判基準)というのは,過去の裁判例を中心に考えた場合の基準ということです。訴訟を提起すると,おおむね,このような基準に基づいて賠償金,とくに慰謝料額が定まるというものです。


弁護士基準(裁判基準)では,後遺障害等級5級2号に認定された場合には,

後遺症慰謝料1400万円

です。

もちろん,個別具体的事情によってこの金額は増減するものです。


これにさらに,後遺障害逸失利益が加わります。

後遺障害逸失利益とは,後遺症がなければ,得られたはずの利益をいいます。この話でわかりやすくいえば,高次脳機能障害がなければ,これだけ仕事でお金を稼げたはずなのに,稼げなくなったといえるような,そのお金のことです。

後遺障害逸失利益は,5級であれば労働能力喪失率100分の79,期間は原則として67歳までですから,その金額は人それぞれではありますが,

人によっては数千万円にもなります。


つまり,

後遺障害それ自体に基づく賠償金

1400万円数千万円

ということもありえます。

後遺障害それ自体に基づく賠償金というのは,高次脳機能障害によって認定された後遺障害の等級が5級2号の場合の,後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の合計です。



これに対し,あなたがご自分で保険会社と示談交渉したとします。

加害者に任意保険がある場合,保険会社は任意保険基準に従い,後遺障害による賠償金を算出します。
この場合でも保険会社は,自賠責基準を重視し,中心的に考えているといえますから,

5級慰謝料額599万円

となるかもしれません。これだけでも

弁護士基準(裁判基準)慰謝料額とは数百万円もの大きな差が開いています。


これにさらに後遺障害逸失利益が加わることになります。

もっとも,保険会社は自賠責基準を重視し,参考にしています。

自賠責基準の5級の保険金額は,1574万円で,

これは,後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を合わせた限度額です。
自賠責基準では,後遺障害等級5級と認定された場合,後遺障害に関してこれ以上の金額の支払いをしないということです。
任意保険基準もこの金額を事実上,目安として考えているのかもしれません。


いずれにせよ,任意保険基準では,自賠責基準を重視・参考にしているため,弁護士基準(裁判基準)により定まる賠償金額よりも低くなるのはほとんど確実なのです。



このように,高次脳機能障害により5級の後遺障害等級が認定された場合において,あなたが弁護士に保険会社との示談交渉を依頼した場合には,あなたがご自分で保険会社との示談交渉をした場合よりも,

後遺障害に基づく賠償金額は,大幅にアップする可能性が高い

ことがよくわかると思います。


あなたが高次脳機能障害と診断され,後遺障害等級5級と認定されて,ご自分で保険会社と示談交渉をされているとしたら,恐縮ながら,誤解を恐れつつたとえていうならば,いいところまで来ているのに非常にもったいない,という感じだと思います。どんなに知識を身につけても,保険会社の専門知識の豊富な担当者に,あたかも上手く言いくるめられてしまうかのように,何事もないように対応されてしまうかもしれないからです。


ぜひご相談下さい。






投稿者 アスター法律事務所