交通事故topics

2013年7月 3日 水曜日

高次脳機能障害・賠償金(後遺障害慰謝料)(その1)

「高次脳機能障害とはどのような病気なのか」

「高次脳機能障害について,後遺障害として認定された場合,何級と認定され,そのとき賠償金(後遺障害慰謝料)はどのくらいの金額になるのか」






高次脳機能障害とは,脳の高次機能である認知,行為(の計画と正しい順序での遂行),記憶,思考,判断,言語,注意(の意図的な持続)などが,脳梗塞の内疾患や,交通事故などによる脳外傷により損傷を受け,障害された状態であるとされています。



つまり,高次脳機能障害とは、一般に、病気や事故などの様々な原因で脳が損傷されたために、言語・思考・記憶・行為・学習・注意など知的な機能に障害が起きるものをいうのです。



注意すべき点は,

高次脳機能障害は,主として脳外傷によるびまん性脳損傷を原因として発症しますが,局在性脳損傷(脳挫傷,頭蓋内血腫など)とのかかわりも否定できないという点です。




場合によっては,交通事故の衝撃の程度や態様などから診断された内容の重さの高次脳機能障害は起きるか,という形などで,因果関係の存否について争いが生じることがありえます。




高次脳機能障害の典型的な症状は,多彩な認知障害行動障害人格変化です。




認知障害というものは、記憶・記銘力障害、注意・集中力障害、遂行機能障害などをいい、具体的には、新しいことを覚えられない、気が散りやすい、行動を計画して実行することができない、などです。




また行動障害とは、周囲の状況に合わせた適切な行動ができない、複数のことを同時に処理できない、職場や社会のマナーやルールを守れない、話が回りくどく要点を相手に伝えることができない、行動を抑制できない、危険を予測・察知して回避的行動をすることができない、などです。




また人格変化とは、受傷前には見られなかったような、自発性低下、衝動性、易怒性、幼稚性、自己中心性、病的嫉妬・ねたみ、強いこだわりなどが出現することです。




なお、これらの症状は、軽重があるものの併存することが多いことはいうまでもありません。






治療費の請求はもちろんのこと,後遺障害等級の認定のためにも脳外傷による高次脳機能障害であると医学的に判断することが重要な意義をもっています。

ある裁判例では,脳外傷による高次脳機能障害の症状を医学的に判断するに当たっては,意識障害の有無及びその程度・長さの把握と,画像資料上で外傷後ほぼ3か月以内に完成する脳室拡大・びまん性脳萎縮の所見が重要なポイントとなる,とされています。





−つづく−


投稿者 アスター法律事務所