所長ブログ

2013年4月14日 日曜日

以前見た映画レ・ミゼラブル⑥

有楽町で法律事務所をしている弁護士の佐々木です。今回も法律相談とは関係ないですが,プライベートの出来事について述べていきます。引き続き映画レ・ミゼラブルについてです。



ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、かねてから革命を起こそうとする若者グループに所属して活動しているマリウス(エディ・レッドメイン)が養女コゼット(アマンダ・セイフライド)に恋心を抱き、また、コゼットもこれに答えているのを知るにいたります。そしてついに始まった政府軍と若者グループの激しい戦闘のさなか、負傷したマリウスを担いで下水道から逃げ出すのです。



少なくとも映画で描かれた内容は、現代的にいえば、マリウスは血気盛んな若者であり、若気の至りで武装蜂起を起こす若者グループに参加していたと受け取ることができます。そして、経験豊かなジャンが危険を顧みずマリウスの命を救ったという意味合いを読み取ることになるでしょう。

もっとも、文豪ヴィクトル・ユゴーがレ・ミゼラブルの舞台として選んだ時代は、フランス革命とその後のナポレオンによる帝政とヨーロッパを巻き込む戦争と、さらにその後のフランス革命の反動であるところの王政復古のあった時代です。このヨーロッパを巻き込む戦争では200万人もの人々が亡くなっているのです。そして、民衆は王政復古に不満を募らせていたのです。そして武装蜂起したグループは秘密結社ABC(アー・ベー・セー)の友で、マリウスは貧乏な若い弁護士で、文豪ヴィクトル・ユゴーは、マリウスを自分の若い頃と重ね合わせて描いていたようです。
若者グループが武装蜂起したのは1832年6月5日の6月暴動で、この暴動はあっけなく鎮圧されてしまったものです。



そうすると、それを前提とすると 映画で描かれた内容は、ジャンがマリウスにその高い人徳で正しい道に導いたというように見えるのです。文豪ヴィクトル・ユゴーがレ・ミゼラブルにおいて、悲惨な人たちを描いていくなかで、自分自身の分身としてマリウスを、悲惨な人たちのなかで理想像であるジャンを描きつつ、ジャンにマリウスを正しい道に導かせることで、あたかも自分自身がもっと倫理観を高めて人生を生きるべきであったと、反省を込めて自戒しているように読み取れるのです。
ジャンはもはや普遍的な愛の人であり、人の世の移り変わりによって変わる戦争や革命の勝者と敗者、生者と死者を超越した究極の価値を体現しているはずなのですから。






ーつづくー

投稿者 アスター法律事務所