交通事故topics

2013年2月 6日 水曜日

脳脊髄液減少症が取り上げられた興味深い判例Ⅰ①

脳脊髄液減少症が取り上げられた興味深い判例Ⅰ①


(脳脊髄液減少症が取り上げられ,

後遺障害等級9級,

逸失利益1189万円以上,

入通院慰謝料200万円,

後遺障害慰謝料890万円が認められた裁判例)





・脳脊髄液減少症が取り上げられた興味深い判例があります。


それは、平成24年24年7月31日付横浜地方裁判所判決です。

この判決は原告が、交通事故により脳脊髄液減少症を発症したとして損害賠償請求した事案です。



・脳脊髄液減少症とはどのような症状をいうのでしょう。

また、どのような診断基準で診断されるのでしょうか。



判決では、以下のように述べています。

「ケ 脳脊髄液減少症の診断基準

(ア) 脳脊髄液減少症ないし低髄圧症候群は,硬膜から髄液が漏れ出し,頭蓋内圧が低下し,又は脳組織が下方変位し,頭痛等が生ずるという病態である。

立位では髄液漏出が増大するため,頭痛が悪化し, 臥位では症状が改善する(起立性頭痛)のが一般的である。」




・これに続けて、判決は診断基準に言及しています。

判決は、国際頭痛学会が発表した国際頭痛分類基準、

日本脳神経外傷学会の脳神経外傷学会基準、

脳脊髄液減少症研究会ガイドライン作成委員会のガイドライン基準、

厚労省中間報告基準を挙げています。

脳脊髄液減少症ないし低髄圧症候群はこれだけの基準がある難しい症状です。


判決では以下のように述べています。

「(イ) 国際頭痛学会が発表した国際頭痛分類のうち, 特発性低髄液圧性頭痛(髄液漏れの原因が不明なもの)の診断基準(以下「国際頭痛分類基準」という。) は,別紙 1 のとおりである。

(ウ) 日本脳神経外傷学会は,髄液漏出の診断方法が 医師によって異なっていたことから,科学的根拠に基づく診断基準等を確立するため,「頭部外傷に伴う低髄液圧症候群作業部会」を設置し,同部会は,別紙2の外傷に伴う低髄液圧症候群の診断基準(以下「脳神経外傷学会基準」という。)を発表した。

(エ) R 医師を委員長とする「脳脊髄液減少症研究会ガイドライン作成委員会」は,別紙3の診断基準(以下「ガイドライン基準」という。)を作成した。

(オ) 厚生労働省の研究班である「脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究班」は,脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)が頭頚部外傷後に続発すると報告されたことに端を発し,あたかもむち打ち症の患者のすべてが脳脊髄液減少症であるかのごとく誤解されるなどの事象が生じており,その原因は,医師ごとに独自の診断基準を用いていたことにあるとして,厚 生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業として,脳脊髄液減少症の研究を行い,平成23年10月ころ,その中間報告を行った。同中間報告には,暫定的な診断基準(内容は別紙4のとおり。以下「厚労省中間報告基準」という。)が含まれている。」


ーつづくー


投稿者 アスター法律事務所