佐々木宏明の法律ニュース

2013年2月 5日 火曜日

最高裁判所判決ー将来給付の訴えの請求適格を有しないものとされた事例・つづき4ー

補足意見では、以下のように締めくくっています。


「4 ところで,本件の法廷意見は,昭和63年第一小法廷判決を引用して,共有者の1人が共有物である本件の駐車場を第三者に賃貸して得る駐車場収入につき,その持分割合を超える部分の不当利得返還を求める他の共有者の請求のうち,事実審の口頭弁論終結の日の翌日以降の分は,その性質上,将来の給付の訴えを提起することのできる請求としての適格を有しない旨を説示している。これは,本件が昭和63年第一小法廷判決と事案が類似していること,特に駐車場の賃料が不当利得返還請求権の対象となっていることから,事案の内容を詳細に判示する必要がないため,簡潔な表現で判断を示したものと解することができる。しかしながら,将来的には,将来の給付請求を認める適格について,昭和63年第一小法廷判決が上記①を射程としているという理解を前提にして適格を肯定する範囲が不当に狭くなるということがないように,それにふさわしい事案が係属し,その処理がされる際には,上記②を射程としていることが明らかとなるように当審の判断を示す必要があるものと考える。」


②の場合というのは、①持分割合を超える賃料部分の不当利得返還を求める将来請求の場合を述べたものとする理解に加え,当該賃料が駐車場の賃料であるという賃料の内容・性質をも含んだ事例についての判断であるとする理解のことですから、将来的には、居住用家屋の賃料であるか、建物の敷地の地代であるか、駐車場の賃料であるか、それらはどのくらい継続的に発生するかといった具体的事情を踏まえて判断されなければならないことが示されることになると思われます。


最高裁判所平成24年12月21日第二小法廷判決ー将来の給付の訴えを提起することのできる請求としての適格を有しないものとされた事例・おわりー


投稿者 アスター法律事務所