佐々木宏明の法律ニュース

2013年2月 5日 火曜日

最高裁判所判決ー将来給付の訴えの請求適格を有しないものとされた事例・つづき3ー

補足意見は結論として以下のように述べています。


「3 私としては,上記①の理解はいささか射程が広すぎるように思う。すなわち,居住用家屋の賃料や建物の敷地の地代などで,将来にわたり発生する蓋然性が高いものについては将来の給付請求を認めるべきであるし,他方,本件における駐車場の賃料については,50台程度の駐車スペースがあり,これが常時全部埋まる可能性は一般には高くなく,また,性質上,短期間で更新のないまま期間が終了したり,期間途中でも解約となり,あるいは,より低額の賃料で利用できる駐車場が近隣に現れた場合には賃借人は随時そちらに移る等の事態も当然に予想されるところであって,将来においても駐車場収入が現状のまま継続するという蓋然性は低いと思われ,その点で将来の給付請求を認める適格があるとはいえない。いずれにしろ,将来の給付請求を認める適格の有無は,このようにその基礎となる債権の内容・性質等の具体的事情を踏まえた判断を行うべきであり,その意味でも昭和63年第一小法廷判決の射程距離については,上記②の理解に立つべきである。」


このように述べ、当該不当利得返還請求権の発生の基礎となる事実関係・法律関係が将来も継続するものかどうかを具体的事情に基づき判断しています。当該不当利得返還請求権の内容・性質,すなわち,その発生の基礎となる事実関係・法律関係が将来も継続するものかどうかといった事情が最重要であると考えているからです。


そして、住居用家屋の賃料と50台程度の駐車スペースがある駐車場の賃料を比較してその将来的な確実性を検討しています。


ーつづくー


投稿者 アスター法律事務所