佐々木宏明の法律ニュース

2013年2月 5日 火曜日

最高裁判所判決ー将来給付の訴えの請求適格を有しないものとされた事例・つづき2ー

最高裁判所平成24年12月21日第二小法廷判決ー将来の給付の訴えを提起することのできる請求としての適格を有しないものとされた事例・つづき2ー


補足意見では、この最高裁昭和63年3月31日第一小法廷判決は事例判断であることは争いがないと述べ、その射程距離を分析してしています。


そこでは補足意見は、共有土地の賃料を共有者が受領することで発生するという当該事案における不当利得返還請求権の特殊性について、第三者の意思により発生する債権か否か、債権の発生する事実関係・法律関係が将来も継続するかどうかという二つの観点から分析してその射程距離について以下のように述べています。


「そうすると,事例判断としてのこの判決の射程距離が問題になるが,この判決の理解としては,①持分割合を超える賃料部分の不当利得返還を求める将来請求の場合を述べたものとする理解(このような捉え方をしていると思われる他の最高裁判例として,最高裁平成7年(オ)第1203号同12年1月27日第一小法廷判決・民集54巻1号1頁がある。)と,②①の場合に加え,当該賃料が駐車場の賃料であるという賃料の内容・性質をも含んだ事例についての判断であるとする理解とがあり得るところである。
 このうち,①の理解によると,この裁判要旨については,将来得るべき賃料はそれが現実に受領されて初めて不当利得返還請求権が発生することから,その発生は第三者の意思等によるところ,そのような構造を有する将来請求全てに射程距離が及ぶ判断であると捉えることにもなろう。しかし,昭和56年大法廷判決の法理によって将来請求の適否を判断するためには,当該不当利得返還請求権の内容・性質,すなわち,その発生の基礎となる事実関係・法律関係が将来も継続するものかどうかといった事情が最重要であり,それを個別に見て判断すべきであるとすれば,昭和63年第一小法廷判決の射程距離については②の理解を採ることになろう。」


これに続けて結論に入ります。


ーつづくー


投稿者 アスター法律事務所