佐々木宏明の法律ニュース

2013年2月 5日 火曜日

最高裁判所判決ー将来給付の訴えの請求適格を有しないものとされた事例・つづき1ー

最高裁判所平成24年12月21日第二小法廷判決ー将来の給付の訴えを提起することのできる請求としての適格を有しないものとされた事例・つづき1ー


最高裁判所平成24年12月21日第二小法廷判決には、補足意見が付されています。


将来の給付の訴えについて、将来の給付を求めることは、通常、いまだ紛争が現実化しているとはいえないことから、紛争解決の実効性を確保するため、原則として認められないが、限定的な場合には例外的に認められるというのが判例理論です。


この点について、最高裁判所平成24年12月21日第二小法廷判決の補足意見では以下のように述べられています。


「1 将来発生すべき債権に基づく将来の給付請求については,その基礎となるべき事実関係及び法律関係が既に存在し,その継続が予測されるとともに,債権の発生・消滅及びその内容につき債務者に有利な将来における事情の変動があらかじめ明確に予測し得る事由に限られ,しかもこれについて請求異議の訴えによりその発生を証明してのみ強制執行を阻止し得るという負担を債務者に課しても,当事者間の衡平を害することがなく,格別不当とはいえない場合に,例外的に可能となるものと解されている(最高裁昭和51年(オ)第395号同56年12月16日大法廷判決・民集35巻10号1369頁参照)。」


この部分は将来の給付の訴えに関する判例理論です。補足意見ではこれを前提に共有関係にある土地の賃料に関する最高裁判例を分析して以下のように述べています。


「これを前提にした上で,前掲最高裁昭和63年3月31日第一小法廷判決は,共有物件である土地を第三者に専用駐車場として賃貸することによって得た賃料収入に関し,相手方の持分割合を超える部分の不当利得返還を求める請求については,賃貸借契約が解除等で終了したり,賃借人が賃料の支払を怠っているようなときには,将来請求はその基礎を欠くところ,これらは専ら賃借人側の意思等に基づきされることでもあり,必ず約定どおりに支払われるとは限られない等の点から,将来の給付請求を可能とする適格を欠くとしている。」


その上で、この最高裁昭和63年3月31日第一小法廷判決は事例判断であることは争いがないと述べ、その射程距離を分析してしています。


ーつづくー


投稿者 アスター法律事務所