交通事故topics

2013年1月25日 金曜日

症状固定後の治療費

・症状固定について、あくまで簡略な説明ですが,保険の実務の観点から,症状固定と診断されるということは,これ以上治療を続けても症状が改善しないと判断されることを意味します。

・症状固定後の治療費は原則として交通事故の損害賠償の対象に含まれません。

・同様に、症状固定後の休業損害(用語の使用方法に問題がありますが)も損害賠償の範囲に含まれません。

・症状固定後はもはや治療の必要がなくなるようにも思えます。
しかし、実際には、症状固定と診断されても、当然に治療が不必要になるわけではなく、同様の治療を継続することがよくあり、治療のための費用の支出が悩みのたねのようです。
症状固定のあと後遺障害等級の認定がされれば、後遺症慰謝料(後遺障害慰謝料)や後遺症逸失利益(後遺障害による逸失利益)が損害賠償されることになるので、これを治療のための費用として使っているようです。
もっとも、慰謝料とは、精神的損害の慰謝のために支払われる金銭をいいますから、これを治療のために使われるのは対応しませんが。



・症状固定後の治療費が裁判において認められる場合があります。
このような場合でも法的問題となる点は、交通事故と治療費支出との間の因果関係の存否であり、またそれは同時に、治療の必要性・相当性が認められるかどうかです。

・また症状固定後の治療費が認められた場合には,重度の後遺症事案が多いようですが,比較的軽度の事案で,保存的治療として必要性などを判断して認めた裁判例があります。

・むち打ち症で他覚所見に乏しい場合だけれど,症状固定後も痛みが続くので治療を続けている場合,そのために支払われる費用をどう捉えるかというと,この治療を損害を拡大させないための費用と評価することは通常できないので,このような場合の症状固定後の治療費は一般に否定されるようです。

・また、症状固定後の治療費が認められない場合でも、後遺症慰謝料の算定において斟酌した裁判例もあります。


投稿者 アスター法律事務所