佐々木宏明の法律ニュース

2013年1月16日 水曜日

継続雇用制度ーある人の再雇用ー

・従業員の再雇用に関して,興味深い最高裁判所判決があります。
それは,最高裁判所平成24年11月29日第一小法廷判決です。

・ある従業員が,継続雇用制度の対象となる場合に,再雇用されるかどうかが問題となりました。

・この最高裁判所判決は以下のように判示しています。

「上告人は,法9条2項に基づき,本社工場の従業員の過半数を代表する者との書面による協定により,継続雇用基準を含むものとして本件規程を定めて従業員に周知したことによって,同条1項2号所定の継続雇用制度を導入したものとみなされるところ,期限の定めのない雇用契約及び定年後の嘱託雇用契約により上告人に雇用されていた被上告人は,在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を本件規程所定の方法で点数化すると総点数が1点となり,本件規程所定の継続雇用基準を満たすものであったから,被上告人において嘱託雇用契約の終了後も雇用が継続されるものと期待することには合理的な理由があると認められる一方,上告人において被上告人につき上記の継続雇用基準を満たしていないものとして本件規程に基づく再雇用をすることなく嘱託雇用契約の終期の到来により被上告人の雇用が終了したものとすることは,他にこれをやむを得ないものとみるべき特段の事情もうかがわれない以上,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないものといわざるを得ない。したがって,本件の前記事実関係等の下においては,前記の法の趣旨等に鑑み,上告人と被上告人との間に,嘱託雇用契約の終了後も本件規程に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものとみるのが相当であり,その期限や賃金,労働時間等の労働条件については本件規程の定めに従うことになるものと解される(最高裁昭和45年(オ)第1175号同49年7月22日第一小法廷判決・民集28巻5号927頁,最高裁昭和56年(オ)第225号同61年12月4日第一小法廷判決・裁判集民事149号209頁参照)。そして,本件規程によれば,被上告人の再雇用後の労働時間は週30時間以内とされることになるところ,被上告人について再雇用後の労働時間が週30時間未満となるとみるべき事情はうかがわれないから,上告人と被上告人との間の上記雇用関係における労働時間は週30時間となるものと解するのが相当である。」

・これによると,雇い主が継続雇用の基準に当てはまる従業員を再雇用しない場合,合理的な理由や社会通念上の相当性が必要であることになります。

投稿者 アスター法律事務所