所長ブログ

2013年1月13日 日曜日

債務整理ー借入金債務・カード債務の消滅時効について

・サラ金やクレジットカード会社からお金を借り入れた場合の借入金債務はいつ時効消滅するのでしょうか。

・一般論として,借入金債務はどれくらいの期間で時効消滅するのかというと,

借入金債務の消滅時効期間は,民法の原則に従い10年です(民法167条1項)。

しかし,借入金債務であっても商事債権である場合にはその時効期間は5年(商法522条)です。

そして,サラ金やクレジットカード会社,また銀行からお金を借り入れた場合,

その借入金債務は,会社からの借入となり,商事債権となります(会社法5条)。

したがって,消滅時効期間は5年です(商法522条)。

また,借主が「商人」の時は,原則として商事債権となり消滅時効期間は5年です(商法3条1項)。



・クレジットカード会社に対する債務には,普通、キャッシングによる債務とショッピングによる債務があります。


キャッシングによる債務は,借入金債務であり,先ほどの説明のとおり,消滅時効期間は5年です。


ショッピングによる債務は,それぞれの加盟店規約によりケースバイケースですが,クレジットカード会社による利用者に対する立替金支払請求権であれば,商事債権であり,消滅時効期間は5年です。



・借入金債務の消滅時効の起算点はいつでしょうか。

一般論として,期限の利益喪失約款の付されている債務についての消滅時効は,「当然喪失型」では,期限の利益の喪失事由の発生した時点から進行します。

期限の利益というのは,期限があることで当事者が利益を受けることをいい,たとえば債務者にとって,弁済期の定めがあることで,この時までは支払わなくてよいという利益を債務者が受けることです(民法136条)。

期限の利益喪失約款とは,この期限の利益が一定の事由の発生により喪失すると定める約款のことです。

期限の利益喪失には,請求喪失型と当然喪失型とがありますが,貸金業者との貸金契約に付されている期限の利益喪失約款は,「当然喪失型」であることがほとんどです。

サラ金やクレジットカード会社の期限の利益喪失約款は「1回支払いを怠ると期限の利益を喪失する」とされているものが多いのです。

このような貸金債権の時効消滅は,この約款に規定された期限の利益の喪失事由の発生した時点から起算することになります。

たとえば、サラ金からの借入金の返済を例にとると、毎月月末までに返済しなければならないという取り決めがあるため(ケースバイケースですが)、ある年の2月末日の支払期限に返済できなかった場合、債務者は残債務を一括で支払わなければならないこととなります。

このような場合、普通は3月1日が消滅時効の起算点となり、5年間経過した時、時効消滅します。

上記説明にある「当然喪失型」に関連して、サラ金の支払いは、一回遅れたとしても、すぐに残債務を一括で請求されず、遅れても返済すれば、また借りることができることが多いことが特徴です。



・それでは,いわゆる過払い金債権はいつ時効消滅するでしょうか。


過払い金の消滅時効期間は,その法的性質は不当利得返還請求権ですから10年です(民法167条)。

また過払金債権の消滅時効は,取引の終了した時から起算されます。



投稿者 アスター法律事務所